控訴審第6回公判受身と恣意的とでは天と地です 06年12月14日(木)曇

雲形池

控訴審第6回公判は12月14日13時30分より前回同様東京高裁718号法廷で開かれた。 弘中弁護人の被告人質問は冒頭鈴木被告の国会質問主意書集を裁判長に提示し、現在の国会活動のPRをする事から始まった。

宮野明秘書や佐藤優外務省主任分析官の逮捕でも鈴木被告の事情聴取まではなかった。その中で平成14年4月11日に松岡代議士より、行政処分に圧力をかけたのではないかとの件で伴次長が呼ばれたとの知らせがあった。平成10年に一度ケリがついているやまりんの件のむしかえしは、大きな力が働いていると思った。

公判廷を傍聴時には毎回、日比谷公園の雲形池を撮って載せていますが、今回は終了が17時で、雲形池も鶴の噴水も闇の中でした。デジカメ内臓のフラッシュではとても届かず、真っ黒でした。やむを得ず池畔のカエデを撮りましたが、これが精一杯でした。

やまりんの関係者の徳田、三宅より弁護士を紹介して欲しいとの話があり、中川一郎時代からの顧問弁護士だった大室征夫弁護士を通じて中村、大森両弁護士を紹介した。検察の調べに先んずるかほぼ平行していた時期だった。
6月2日には検察の取調べが一方的なので正確なものを作っておこうと徳田の陳述書を作った。山田哲の陳述書は中村弁護士が作成したが山田社長は国会に出す事を了承していた。 中村弁護士が三宅に4点ほどアドバイスした事がいわゆる三宅メモとして検察に渡ってしまった。

大森、志賀、中村弁護士は7月中旬以降来なくなった。そして大室先生より志賀先生は手を引きたいとの意向だと話があった。 志賀弁護士は元東京地検特捜部長河上和雄弁護士に泣き込んだとも言われ、検察から捜査妨害ではないかといわれビビッたらしい。 贈賄側と収賄側を同時に弁護するのは問題だと言われ、大室弁護士も自身の家宅捜査もありうるのではという事を面会の時に匂わせていた。

6月19日の鈴木逮捕後まもなく、大室弁護士が検察に贈賄側の弁護は致しませんとの詫び状を出していた事を2審の公判整理中に初めて聞いた。 一審を担当した大室、関根、緑川の3弁護士はやまりんとは直接接触がなかった。証人との事前の面談も検察の息がかかっているから逆効果になるからしないほうがいいとの話だった。

やまりんの哲社長、赤堀、三宅、徳田とは逮捕されるまで信頼関係があった。しかし検察から「鈴木は逮捕。弁護士も詫び状を出した。ジタバタするな。こちらに協力せよ」と言われてやむを得ず検察に同意した。これは証言台に立つ時も私には面と向っては目を合わせず、申し訳ないという態度だった事から検察に誘導されているなと感じさせられた。
彼らからは頼みにした弁護士がいなくなり、弁護士に不信感を持ったと控訴審になってから聞かされた。 哲社長も陳述書が本音だと語っている。

以上が約1時間10分やり取りされたおおよその内容だ。 確かに一審が始まった頃には大室征夫(元大阪地検検事)、志賀こず江(元東京地検検事)、大森一志が鈴木宗男弁護団結成とマスコミ等に報道されていたが、後の2人はまったく法廷に現れず、大室主任弁護人と関根、緑川、岩本の弁護人で一審の弁護はなされていた。

でも、今日の法廷で語られたポイントは「検察の調べに先行するか同時期に、徳田、三宅より弁護士を紹介して欲しいとの話があり」のところだ。これが鈴木被告から紹介しようと話を持ちかけたとしたら時期的な問題で、その後のストーリーはまったく異なってしまう。一つの事実が受身と働きかけではまったく違う展開になってしまう典型かもしれない。
そして気になったのは弁護人が大室弁護士を特定する為フルネームで確認する時、名前を「マサオ」と間違った事だ。「ユクオ」とは特殊な読み方だが一審での主任弁護人で、今回のキーパーソンとも言える人の名だけに、語られた事柄の信憑性にも若干の疑念を持たせられた。

14時40分から途中20分の休憩をはさんで17時まで行なわれた佐藤弁護人の被告人質問は、冒頭に「2審でも伴は偽証している」との回答で始まった。 そして後は今まで一審で審議されてきたやまりん、林野庁、そして松岡利勝代議士との人間関係、8月4日のやまりん上京時の蒸し返しで何等新事実なし。 結局何とか多田秘書を証人として出したい為の質問こ過ぎなかったようだ。

次回は2月15日13時30分より引き続きやまりん関係の被告人質問との事だったが、どうして13時30分なのだろう。一審のように午前中から何故開廷できないのだろうとは素朴な疑問だ。