控訴審第7回公判どのような高等戦術なのでしょう 07年2月15日(木)晴

雲形池

第7回公判は2月15日(木)13時30分より東京高裁718号法廷で開かれた。今回、一審で途中まで検察のリーダー的役割を果たしていた水野谷検察官が検察官席についていた。一審の途中で転勤したようだが、先日の佐藤優の公判にも出廷していたとの事だ。

傍聴人は開廷時には20名くらいだったが次第に増えて途中退席等もあったが平均して7割近くの席が埋まっていた。 今回も弁護人による被告人質問。質問者は佐藤弁護人で、今回は弘中弁護人夫妻の出番は無かった。

前回第6回公判の時は同じような時間ながら周囲は真っ暗で、傍聴しに来て初めて雲形池の写真を撮れませんでした。今回も同じような時間でしたが、2ヶ月の間に日が長くなっていました。月日の流れというのは本当に不思議なものです。

冒頭「松岡代議士は偽証した。」との断定の下、弁護人と鈴木被告のやり取りがなされた。
林野庁へのアポンイントは林野庁出身の松岡代議士に頼めば簡単だし、やまりん事件が騒がれ始めた時には松岡自身にも及ぶのではないかと心配して話があったなどと語られ、松岡代議士には山田林太郎さんが緊密に連絡を取っていた。手帳には松岡代議士の自動車電話のNoが控えてあった。また12分の4案は松岡代議士の依頼によるものでその証拠もある。と総て林野庁に働きかけたのは松岡代議士と語られた。

鈴木事務所は常時3億から4億の浄財が集まっておりお金には困っていなかった。賄賂を持ってきたことを話して用件を承諾してもらったと言っているが、賄賂と言われれば当然ストップさせている。そしてやまりんが持参した金額も知らなかった。との主張を繰り返した。
賄賂を持ってきたなどと被告はもとより弁護人も賄賂という言葉をたびたび使っていたが、何処の世界に賄賂を持ってきましたと公言する贈賄者がいるだろうか。

山茱萸

検察官は8月4日の夜の料亭の会合までは掴んでいたが、その後に行ったカラオケスナックは見落としていた。水野谷検察官も気付いていなかった。一審の弁護団もスナックでの会合は重要視していなかった。
やまりんは特別の依頼はしなかったし、鈴木の方も何も頼まれなかったのでスナックでは両方とも何も触れなかった。これは依頼も働きかけも無かった何よりの証拠で、依頼があったら結果を聞くのが当然だ。
これが、やまりん事件のあっせん収賄容疑についての具体的な反証、反論のようだった。

1時間30分くらい経過したところで裁判長が穏やかに「弁護人は何を」と言いかけると佐藤弁護人はその言葉を途中でさえぎり、「分かりました。」と言いながら、相変わらず独断と偏見の被告人質問を継続した。
この間水野谷検察官にも直接「見落とした」「知らなかった」を繰り返し、挑発的な言辞を弄していた。
「見落とした」「気付いていなかった」等と断定的な言葉は明白な証拠があったり、本人に確認して初めて使える言葉と思うのだがどうなのだろうか。

再度「何を聞かれるのか被告人質問ですから……。それにしてもチョットどうなのでしょうか」との裁判長の言葉にも、自分達が描いたストーリーを中途で邪魔されたくないとばかりに分厚いシナリオを片手に被告人質問を続けた。16時30分近くになり、ついに裁判長は「協議をしますのでチョット休廷します」と堪忍袋の緒を切らし、3裁判官とも退席した。休憩中に佐藤弁護人は水野谷検察官に「何か反論してくださいよ」と語りかけ、自らのストーリーの感触を確かめたりしていた。

5分後に戻った裁判長は「被告人質問ですから。でも意見を言うのは簡潔にしてください。」と述べ、再開した。 当然とばかりにまたまた鈴木被告と弁護人の共作共演のストーリーが、17時近くまで、語られ続けた。

次回は3月13日(火)13時30分より引き続きやまりん事件と島田事件の被告人質問を継続との事で、17時過ぎに閉廷。

鈴木宗男ホームページのムネオの日記の2月15日には

13時半から17時まで裁判。私に対する弁護人の尋問だが、思いの丈、事実を述べる事が出来た。弁護士さんも相当気合が入っており、中身のある審理だった。今後ともしっかり対応して参りたい。
と記されているが、まさに鈴木宗男の鈴木宗男たる所以だろう。

でも、その被害者意識を抑えながら、客観的な証拠に基づき被告人質問を行い、自らの主張を裏付けていくのが弁護人ではないだろうか。それが一緒になって思いの丈やらをを増幅させ、自らも同調し続けた佐藤弁護人。
どのような高等法廷戦術を組み立てているのか、素人の私には理解できなかった。