控訴審第4回公判次回被告人質問を予定と裁判長 06年10月17日(火)晴

雲形池 鈴木宗男控訴審第4回公判は10月17日13時30分より前回同様東京高裁718号法廷で開かれた。少し早めに行ったらガラガラだった傍聴席は、定刻にはほぼ8〜9割埋まっていた。
証人は前回検察側から申請のあった島田建設の大橋俊彦元役員だった。一審では第17回と18回の2回に渡って証人席に立った島田建設事件でのキーマンだ。

検察官は渡辺検察官一人。弁護団は前回同様3人だったが弘中弁護人と其のアシスタント役の絵里弁護人が主役で、今回は佐藤弁護人の出番は無かった。

検察官の主尋問は島田建設の94年〜98年の経営数字を施行額の試算完工高と決算書に記載する決算完工高の対比で行われた。試算完工高はJV下請けの額も含むが、JVの組み方も様々あってそう単純では無く、種々の組み合わせについて細かく語られた。
これは一審で鈴木宗男側が島田社長は「うちの会社は順調にいっている。代議士の力を借りなくても大丈夫だ」と決算書を見せながら常日頃語っていたという事に対する反証の資料と思うが、50分近くの主尋問は何の為だったのかはこれ以上推測の域を出ない。

弘中弁護人の反対尋問は、子会社の浚渫工事会社の島田海運の業績を上げたいとの島田社長の意向が強かったといわれた事を受けてだろうか、その面からの質問が多く、証拠として挙げられている受注したい工事のメモ、いわゆる山口メモをめぐって一審とさほど変わらぬ尋問が繰り返された。

鈴木と面談したのは必ず他の用件があって上京した時で、お願いだけで上京した事は無かった。鈴木と島田社長との付き合はかなり親密で相性も良かった。取調べの検察官に封筒に入れたお金の趣旨は「お礼」「お願い」「お祝い」の3つしかない。どれに該当するのかと問われて日ごろお世話になっているお礼の意味と思った。島田社長の金銭感覚の一端として子供のために一発何百万という花火をあげた。などの確認と証言もなされた。

しかしながら、その時々の証拠資料を示すのにその多さもあって、「弘中絵里弁護人作成の云々」に続いて2人が慌てて資料を付け合せたり、番号を訂正したり、意思の疎通が上手くいかなかったりで、ドタバタの謗りは免れなかった。そして絵里弁護人が証人に資料提示に行くハイヒールの音は、本人はかなり気を使ってはいても静謐な法廷では耳障りだった。

いずれにしてもこれという新しい証拠も、決定打となるものも無く反対尋問は終わった。証人の退廷後、裁判長が次回予定は弁護人より証人の申請も出されているが、スケジュールもハッキリしないので次回は被告人質問としたい。との発言があった。

予想外の展開に大慌ての弁護団はもう少し証人尋問を行いたい。今後のスケジュールについては何とか打ち合わせをさせて欲しいとの申し出を行った。これを受けて裁判長は10月23日15時より打ち合わせをする事を了承した。

しかしながら裁判長は「そこで変わればともかく、現段階では次回は被告人質問を予定。日時は11月14日13時30分より」と宣言して、16時35分閉廷。
初回からスケジュールを出して欲しいとの裁判所の要請に応えられなかった弁護側。否、意識的に応えなかったかもしれない事に裁判所も業を煮やしたのだろうか。