控訴審第11回公判証人喚問ビディオが上映されました07年6月21日(木)晴

雲形池

前回、第11回公判では国会の証人喚問のビディオを上映するとの予告があったので、見やすい前の席に座った。
 しかし公判は政治資金規正法違反事件の被告人質問が先で、約1時間10分小林弁護人によって行われた。今まで弁護団の後ろの席に控えていた若い弁護士だったが、質問はキチット整理され、証拠資料の提示などもスムーズで、何より鈴木被告に位負けせず淡々と質問をしていたのが印象的だった。

いつもは小型のデジカメも持って来て昼休みの雲形池を撮っていますが、この日は大きなカメラしか持ってこず、受付に預けたままなので法廷が終わって16時近くに撮りました。手前にh紫陽花が花開いています。

事件について一貫して主張している検察の恣意的な捜査だった事を、検察官の個人名を随所で挙げながら声高に語った。そして報告書に記載されなかった要因は決して自分が指示した事では無く、佐藤玲子秘書の個人的ミスとの従来どおりの主張を繰り返し、乳がんの手術をしてからミスが多くなった事の例証も挙げられた。

一方、当時の政治資金は4億を超え、支出の主なものは人件費と仲間の若い政治家への盆暮を中心とする援助で、裏金を作る必要もないし、秘匿しなければならない事は何も無かった。政治資金の安定と豊富な事は永田町、特に自民党で伸びていこうとするには必要な事だったとも語られ、一審の秘書達の証言とは異なり、仲間の政治家への援助が公明正大に行なわれていたように語られたのには違和感を感ぜざるを得なかった。

政治資金規正法違反の質問の後、弘中弁護人による今年5月31日の産経新聞の記事からのやまりん事件の補足質問が行なわれた。先日自殺した松岡農相がやまりん事件を取り仕切り、鈴木被告は関係なかったとの従来の主張を裏付けたい意図のようだった。

しかし、佐藤秘書にしろ松岡大臣にしろ表現の仕方はやわらかいものの死者に罪を押し付ける構図は相変わらずだ。そして、国策裁判を言うのはともかく、個々の必要の無い検察官の名前まで出して、エキセントリックだとか色々批判するのは「如何なものだろうか」と被告の口癖を借りたい。

鶴の噴水

11時35分に弁護側の被告人質問は終了し、10分の休憩で隅に置かれていた大形のディスプレイ4台が中央に背中合わせに置かれた。そして午前15分、午後からは13時30分より15時40分まで証人喚問のビディオが流された。

弁護側の主張では議事録では分からない宗男バッシング、議場総てが敵のような異常な雰囲気をわかって欲しいとの事だったが、野党側の質問はいずれも単発的、尻切れトンボで多岐には渡っていたが証人が思考力を働かせられないという状況には思えなかった。そして見ていた私は逆にこんなにも疑惑があったのかと疑惑の多さに改めて驚いた。

当時の証人喚問はニュースで見たくらいだったが、問題の辻元議員の発言には鈴木議員はハッキリ反論、抗議している。そしてこの後まもなく辻元議員は秘書給与の流用で起訴され、執行猶予の判決を受けている。そして田中真紀子議員も起訴こそされなかったが秘書給与疑惑で一時騒がれていた。
 死者に罪を負わせたり個々の名をあげて検察の非を鳴らしたりするより不毛の裁判をいい加減に終わらせ、新生鈴木宗男をアピールした方が個人としても政治家としても評価されると思うが、「如何なものだろうか。」

今後の日程が9月6日、10月2日いずれも13時30分よりと告げられ、15時45分閉廷。
 次回は延びに延びた検察官の被告人質問の予定。