第10回公判

簡単すぎて先生に渡すのに失礼と思いませんでしたか

平成15年4月7日(月)晴
雲形池
9時40分先着順の列に並んだのは19名。サラリーマン風のグループとラフな格好の学生風の若者達が目立った。
検察官は3人。弁護側は大室主任弁護人が欠席。若干おとぼけの関根、女性の緑川、若い岩本の3人の弁護人だった。
今回の証人は受託収賄事件の島田建設の営業本部長(事件の発覚の原因となったと思われるメモの制作者)と午後からは鈴木宗男事務所の元公設秘書の2人。
お昼の日比谷公園は無風、青空が広がる絶好の春日和。桜が咲き、春の訪れを喜ぶサラリーマン、 OLでいっぱいでした       平成15年4月7日    

平成9年10月、10年1月の2回、取りたい工事のメモをワードで作成。それを社長が鈴木代議士に持って行き、受注できるよう計らいを依頼した。
 平成14年6月の東京地検の捜索で押収された資料の中に、自分では消したと思っていたこのメモが残ってしまっていた。

贈収賄事件等では証拠品をたくさんのダンボール箱で押収する場面が放映される。あんな膨大な資料を本当に全部調べるのだろうかとかなり疑問に思っていた。でもこの証言でキチンと証拠を探し出す事を目の当たりに聞かされ、さすがプロと変なところで感心してしまった。
シャガ

いわゆる官製談合とは開発局から各地区の開発部におろされる工事が建設業協会を通して各企業に振り分けられる。その間で大まかな工事金額をOBが聞き出し、形だけの入札が行われていた。北海道開発局の官製談合については、鈴木代議士も認識していたと午後の秘書の証言でも話された。

アヤメ科の著莪(シャガ)の花が雲形池の周りや林下で花開いていました
島田建設は通常8〜9件は受注していた工事が平成8年には3件と大幅に減少してしまっていたので、社長には焦りがあってお願いをしたのだろうと語られた。

若い岩本弁護人が「先生に依頼する資料としてはメモスタイルで、簡単すぎて失礼とは思いませんでしたか」と証人に問いかけると、すかさず検察側から「感想を問うもので不適当」との異議が出された。
今までも彼なりに弁護に役立つと思う事を発言して検察官の異議を誘う事が多かったが、裁判長も破顔一笑この質問は取り消させざるを得なかった。
 弁護士になり立てと思われるこの大柄な青年は、公判を通して次第に成長していく様が見えなんとなく好感度UPだった。

ナズナ
元秘書は平成12年7月まで鈴木の東京事務所に勤務。支援者との話には同席したりしなかったりだったが、現金の収受はそのつど鈴木代議士に報告していた。
そして事務所では100万円を単位としてひとつふたつという表現もしていたと語った。
ナズナが所狭しと繁茂していました。ぺんぺん草の由来の三味線の撥に似た小さな実をたくさん付けています 平成15年4月7日