控訴審第14回公判無罪ではなく公訴棄却を主張07年12月11日(火)晴

雲形池
鈴木宗男控訴審第14回公判は12月11日午前10時より東京高裁718号法廷で開かれた。傍聴者は開廷時には24〜5人だったが、その後順次増えたようだ。
本日の弁論は弘中弁護人が大部の弁論書の核心部分をピックアップして朗読するという形で行なわれた。島田事件に約50分、やまりん事件に25分、政治資金規正法違反と議院証言法違反に10分その後水野谷検察官による反論が約20分行なわれた。
鈴木宗男公判傍聴の為霞ヶ関には何年も通っていますが、チョット遅めながらこんな素晴らしい雲形池周辺、そして日比谷公園の紅葉を見たのは初めてでした。

冒頭弾劾証拠としての事実調べ請求がなされ、事件当時の時代的背景として市場原理主義の小泉内閣があり、抵抗勢力の象徴として鈴木宗男事件が起こった。このような政治的背景があっての事件なので是非客観的な証拠調べをお願いしたい。との要望がなされ、総ての件につき無罪との主張がされた。

雲形池の紅葉

島田事件については島田社長から後藤部長に工事受注の依頼をして欲しいとの請託を受けた事実は無い。そして金員の授受もない。仮にあったとしても賄賂ではなく就任祝いや手土産だった。また賄賂を贈ってまでも工事受注を働きかける動機もなく、工事を請託したとされるメモは種々の観点からあまりに不合理との主張がなされ、個々の裏づけについても語られた。

10時50分頃からのやまりん事件についても要点の朗読と説明は担当の佐藤弁護人ではなく引き続き弘中弁護人が行なった。
鈴木による林野庁への働きかけは無く、やまりんが8月4日の訪問時に持参したのは400万円で、500万円というのは特捜部の入れ知恵の結果出てきたものでこの事は重要だ。林野庁の12分の4案は鈴木が全量回復せよと言ったとする事に対するものでなく、松岡が働きかけた結果出て来たものだ。
疑獄事件の場合には常にそうであるように今回の事は松岡メモを隠匿して総て鈴木に罪を被せた検察官の権力犯罪だ。無罪判決ではなく公訴棄却の判決を下すべきだと断じた。

ツワブキ

政治資金規正法違反については1億円の裏金を作る意図などまったく無く国策捜査で事実を捻じ曲げた結果である。
 議院証言法違反事件については検察が国会に持ちかけて議決されたものであり国会の有効な告発があったとは云えないものである。との弁論要旨が述べられた。

公判は午前中で終了したので東御苑に行ってみた。雑木林に代表される紅葉は少し遅めだったがやはり素晴らしかった。サザンカ、椿の花もきれいだったが、ツワブキの黄色い花の群生も見事で、左のような大株も見られた。

この後、水野谷検察官による反論がなされた。
島田事件については当時の北海道開発局による受注調整の為の官製談合は常態化しておりその枠組みの中で巧みに行なわれたものであり、典型的な贈収賄の構図はありえなかった。
やまりん事件については松岡が関与していたとしても鈴木からの働きかけが無かったとの証拠にはならず、まして松岡への依頼が鈴木への依頼と二律背反するものでもない。
政治資金規正法違反事件に関しては佐藤と宮野の供述は一致している。議院証言法違反については法令の適用に誤りは無い。との要旨の説明がなされ、本件控訴は棄却さるべきものとの結論が述べられた。

この後、池田修裁判長より次回判決は2月26日(火)午前10時からとの提案が弁護側になされ、弁護側はこれを了承。場所は同じ718号法廷との事で11時50分閉廷。

蛇足 鈴木宗男ホームページの「ムネオの日記」11日には詳細の原文の抜粋が掲載されているが公判では読まれなかった量刑についても書かれている。しかしながら控訴審における今日までの弁護側の引き延ばし戦術とそれにまつわる数々の言動からは勿論、そして国民の代表としての選良の言としては首をかしげざるを得ない主張だ。