控訴審第12回公判やっと検察官の被告人質問です07年9月6日(木)晴

鶴の噴水

第12回公判は約2ヶ月半振りに、台風9号の影響で時折激しい雨が降る9月6日(木)13時30分より718号法廷で開かれた。
 開廷前の待合室で鈴木宗男は日焼けして健康そうな明るい笑顔を見せていた。屈託の無い人懐こい笑顔はこの政治家の大きな特質なのだろう。この間から気になっていたグリーンのネクタイの訳を尋ねると新党大地のシンボルカラーと聞いて得心した。

この日は台風9号の影響で断続的に強い雨が降りましたが、幸いな事に裁判が終了して外に出た時は止んだ時で鶴の噴水を撮って、日比谷公園の入口近くで下の花の写真を撮って信号を渡っている時に再びポツリときました

今日は水野谷検察官による検察側の被告人質問だ。弁論の達者な政治家の中でも特に押しの強い鈴木宗男にどう質問するのか興味があったが、やはり周辺から固めようとする質問だった。
 当時、事件の核心部分にいた宮野明秘書や多田淳秘書のその後から始まり、支援企業の真壁建設の企業献金のことから島田建設の先代のこう社長、安藤副社長、光雄社長の人間関係、そして島田建設への鈴木宗男による天下りの斡旋等、事件とは直接は関係が無いところの質問から始まった。

質問は鈴木宗男の私生活関係にも及んだが、これは家族の事とはいえ島田建設の受託収賄事件の伏線となる重大な事だった。島田建設から娘や息子のアメリカ留学祝いが贈られていた事自体は両者の親交から社会通念上何の不思議もない。でも、娘の祝い金が100万円だったとの証言にはビックリした。敢えて息子の金額には言及しなかったが、恐らく同額なのだろう事は想像に難くない。普通子弟の留学祝いなら10万円くらいが常識の範囲と思うがどうなのだろう。100万円という金額は異常だと思うのは私だけだろうか。

その後は後藤港湾部長関連の質問が行なわれたが、ゼロコクの資料関係については従来の主張通り、かなり自信を持って反論していた。
 しかしながら、「佐久間という課長は行儀が悪い奴だ。」とか「佐久間は俺に歯向かってきた。俺に逆らった奴は辞めさせろ」と言った事はないかとの質問には「記憶にない」と歯切れの悪い答えだった。これだけの事をもし言わなかったとしたら色をなして反論するのが普通と思うがどうだろう。

また企業による秘書給与支払の件についても、それが認められなくなった平成7年以前迄で、それ以降はないと強弁してきたが、他の秘書であったのではという質問にはそれは事務所の問題で一々関与していなかったとの答えは国会議員の言い訳の典型だった。
 サンヨー建設からの宮野秘書宛の工事受注のお願いも宮野の範疇で鈴木宗男は与り知らぬ事と言い抜けたが、如何にも言い抜けたとの感じだった。

お花

約1時間で水野谷検察官の被告人質問終了。その後、弘中弁護人による検察官の質問にたいする被告人フォローの質問が10分ほどなされた。そして佐藤弁護人による栗原元松岡代議士秘書の話という松岡主犯説も語られた。

最後に裁判長から松岡代議士が鈴木宗男の名前を出して林野庁と交渉していたという事は鈴木宗男にとって名前を出され、迷惑ではなかったのかとの質問がされたが、質問の趣旨に合った答えはなされなかった。

14時50分から20分の休廷後、裁判長から残されていた弁護人からの書証、陳述書の却下と申請されていた証人は不必要との裁断が実に淡々と下された。
 次回弁護人の弁論をとの裁判長からの要請があったが、用意ができていないとの弁護人の申し出で12月11日(火)の午前中に検察官の弁論要旨もあわせて行なうとの日程が決定された。

次回10月2日13時30分からは証拠関係の整理で、弁護人には直前ではなく事前に開示して欲しいとの要請がなされた。