控訴審第1回公判全面無罪、量刑は重過ぎる 06年6月8日(木)曇

雲形池 鈴木宗男の控訴審がやっと始まった。
一審の判決が出たのが04年11月5日だから、1年7ヶ月振りだ。
傍聴は13時までに集まった希望者を対象のパソコン抽選予定だったが、80名の枠に達せず全員に傍聴券が配布された。

定刻13時30分池田修裁判長の鈴木被告の姓名、生年月日、職業の人定尋問から始まり、次いで弁護人の控訴理由の補足説明が行われた。
訴訟手続きが不自然・不合理、法令の適用の誤り、事実誤認、証拠の不確実性、動機の不存在、証言の信用性なし、検察官による脚本どおりの証言だった等約50分に渡った弁論は総て無罪の主張だった。但し内容的には何等新しい事は無かった。

そして何より不思議だったのは起訴事実総にて無罪を主張しながら、量刑が重過ぎると訴えている事だ。無罪なら当然刑罰は無く、量刑の重さを云々する事はない。無罪主張は建前で本音はなんとか執行猶予を取りたいとの思惑なのだろうか。
当然ながら検察側は控訴棄却を主張した。

裁判官3名は当然としても検察官2名、弁護人3名(内女性1名)も全員が一審とは別人だった。新しい観点からとの趣旨なのかもしれないが、連続性、裁判の短期化の観点からはどうなのかとの疑問を感じた。

また、傍聴人待合室には裁判官、検察官の氏名は公表されているが、弁護人の表示は一切無い。これは一審も同じだったが、裁判を構成する大事な一方の氏名を発表しないというのは如何なる意味があるのだろうか。

そして今回不思議だったのは検察官席と弁護人席が入れ替わっていた事だ。控訴審を傍聴するのは初めての経験なので少し戸惑った。一審とは関係なくまったく新しい観点から審議するために席も入れ替えているのか、控訴審では公判をリードする控訴側が向って左に座るのかどちらなのだろうか。

裁判長から8名の証人申請の全体像を明らかにして欲しいとの弁護人への要請があり、とりあえず次回は7月13日、次々回は9月14日いずれも13時30分開廷のスケジュールが告げられた。

そして次回の証人は松岡利勝衆議院議員という事で14時32分閉廷。
鈴木宗男の一の子分を自他共に認めていたという松岡代議士の証言は聞かなくても分かる気もするが、どんなストリーを述べるのか興味もある公判だ。

裁判官、検察官、弁護人が総て替わっていた事については前2者については組織上当然の事だという。但し検察官についてはそのまま地検検事が持ち上がって担当を続ける事もあるようだ。弁護人については替わらないのが普通で、弁護団が本当に替わってしまったのか、もしそうとしたら何故なのかは確認できず。
弁護人の名前を掲示しないのは特に意味があるわけではないようで、単なる慣習のようだ。
弁護人と検察官の座席は高裁では控訴側が裁判長に向って左側に座るということらしい。