第6回公判

頼み事をよく聞いてくれるのがいい政治家だ

平成15年2月12日(水)曇
梅
傍聴は今回初めて先着順。締切の9時40分には20名の希望者だった。104号法廷の所持品検査も前回までより、簡単。
今日の証人は贈賄側とされるやまりんの山田哲社長のためか報道関係は前回より多く、連絡の為の出入りも多かった。
日比谷公園の一角にある梅林の白梅は5分咲きで、紅梅も3分咲きくらいだった
平成15年2月12日

終日吉田検察官による証人尋問が行なわれた。
平成10年6月25日絹川支局長より資格停止処分の通知があった。年度内に処分が終わるので、明けの2、3月に一年分をまとめて売ってもらえる温情と理解し、会長にその旨を報告した。ところが7月下旬、10年の予想販売総量の8万立方はとても売ってもらえないことが分かり、会長は激怒。絹川支局長に泣きつくもにべ無く断られ万事休す。

会長の発案で、鈴木代議士から林野庁に働きかけてもらう事に決定。官房副長官就任祝い名目として会社名で400万円、会長が領収書不要の100万円を用意し、人数は多い方がいいと6人で上京した。
紅梅
8月4日官房副長官室で面談。テーブルに4袋の祝儀袋を置き「喪が明けるまでやまりんの分をとり置いて2、3月に一年分を売ってもらうよう林野庁に働きかけて欲しい」「明日伴次長にお会いする予定だが何とか口添えして欲しい」等のお願いを会長よりする。「やまりんさんは大変ですが、難しい問題ですね」「やまりんグループの従業員が路頭に迷わないように何とかお願いします」「伴君にはよく言っておきましょう。これは多田に渡してください」等の話の後、多田秘書に500万円を届けた。

やまりんは会長のワンマン会社で子会社の社長は通常の会社の部長職くらいの権限しかなく、哲社長といえど例外ではなかった。会長は元々中川一郎を応援しており「政治家は頼み事をするものだ。政策や人格ではなく頼み事をよく聞いてくれるか否かで応援するものだ」と語っていた。そしてトップダウンの交渉は必要だとして営林支局の人事にも鈴木代議士を通じて介入していた。今回の上京に関しても「不正な事なのでそこまでする必要は無いのではないか」と言ったが相手にしてもらえなかった。

雲形池
平成14年5月中旬から東京地検の捜査を受け、マスコミの攻勢が激しくなった。奥さんがパニック状態に陥り、一時札幌に逃避した。しかしながら今まで会長、兄貴の言うままの人生だった事に気づき、再度地検の取調べを受け、正直に話す事を決意した。と最後に涙ながらに語った。
曇天の日比谷公園・雲形池の鶴の噴水はひとり懸命に水を噴き上げていた
平成15年2月12日

午後の再開直後、弁護側がやまりん事件についての冒頭陳述を約15分間行った。
 盗伐事件は6月頃十勝毎日の新聞記事で初めて知って、対応は総て他の代議士に任せていた。お詫びの口添えはしたが林野庁には何等の工作もしていない。お金は官房副長官就任祝いであり、決して賄賂ではないとの内容だった。

※事件の中心人物の山田勇雄会長は前年の平成14年8月24日死去