第5回公判

今の時点での鈴木議員との関係は大切との認識だった

平成15年1月27日(月)雨
ミツマタ
天気予報は全国的に荒れ模様だったが、朝方は小雨で風が無く、寒さはさほどでもなかった。傍聴券70枚予定に希望者は14名で無抽選。
今日の証人は平成10年7月3日付で伴次長の後任で林野庁業務部長に就任した日高照利氏。小柄ながら背筋が伸びており、キチンとしたいわゆる官僚タイプ。不確実な事はその旨ハッキリ言い、否定する事はきっぱり否定していた。
霞門を入って雲形池の近くにある三椏は白いつぼみをいっぱいにつけ、花のほとんど無いこの時期には白い花のように見える    平成15年1月27日            
就任時に「やまりん問題」は鈴木宗男議員が関連し、それぞれが政治家と結びついているので色々難しい面があり、引き続き伴次長が担当する。日高部長はパイプ役を務める様にと上部より指示があった。従って鈴木被告との関わりは伴次長よりの聞き覚えで直接の接触は無かった。

当時国有林改革について鈴木議員と相談しながら進めていた。また、やまりんに関しては6月25日の行政処分の時点では全容解明ができておらず、追加の行政処分もあり得る状況だった。そうゆう中で、鈴木議員から「損失を補填できる措置をしてやれ」「立木を随契で一年分売ってやれ」等の要求が伴次長になされた。共通の認識として今の時点での鈴木議員との関係は大切との思いがあり、最大限12分の4という妥協案を出した。しかし了解は得らず、結局は問題を先送りした形になった。

午後からの弁護側の反対尋問は、やまりん事件は政治家同士の対立抗争のひとつの沸点にすぎないと主張する弁護側の意図が明瞭に感じられた。 しかしながら検察側は、他の政治家との関わり等については異常に思える程の神経質さで「本件とは無関係」との異議を連発していた。

雲形池
前回の公判からのトピックスは、ゼネコン汚職であっせん収賄罪に問われた元建設相の衆院議員中村喜四郎被告の実刑判決の確定だ。
これにより職務権限の有り無しに拘らず、請託とそれを受けての公務員への働きかけで、犯罪が成立するとの最高裁の見解が示された。この最高裁の判断が鈴木裁判へ与える影響は大きい。
雨の日比谷公園は昼休みにも拘らず人影もまばらで、雲形池にも冷たい雨が降りしきっていた。枯れ枝に止まっていたヒヨドリは体を丸く膨らませて寒さに耐えていた。
平成15年1月27日
また、政策秘書の多田被告が自らも金銭を受け取りながら、未申告だったので追徴課税がなされたとの報道もあった。