第29回公判

「大変だけど頑張ってみましょう」との話があった

平成16年3月5日(金)晴
雲形池
また裁判所の構成が変わり、八木正一裁判長、松岡幹雄、竹内大明の裁判官になった。竹内裁判官が多田秘書の裁判官である事から弁護側が直接心証主義に反すると忌避の申立をしたが、裁判所はこれを却下。弁護側は上級審で争うとの留保つきで審議入りした。
春とはいえ雲形池の周囲の落葉樹はいまだ裸木です 04年3月5日
本日の証人はやまりんの子会社のコマバの社長。
審議はやまりんの会長が5人の幹部を引き連れ、盗伐処分の事実上の撤回を働きかけに行った平成10年8月4日の官房副長官室の核心部分から始まった。
就任祝いで上京したと思っていたが、会長が突然「喪が明けたら」の件を持ち出し代議士に林野庁への働きかけを依頼した。窮状が話され結局「大変だけど頑張ってみましょう」との話があった。ご祝儀袋に入った現金をテーブルの上に並べたが、議員会館に行き秘書に渡した。
寒緋桜

証人は平成8年に大病をしてそれまで経営の中枢にいたのを外れ、盗伐問題については蚊帳の外に置かれた。やまりんが盗伐問題の処分を受けた時、コマバ、天倉林業で帯広営林支局の10件中7件の仕事を落札した。やまりんとは関係なく総て自分の裁量で落札した仕事なのにやまりんに圧力がかかり、事件の対処に悪影響があるからと最終的には辞退せざるを得なくなった。

国会前庭の寒緋桜は鮮やかな色の花をいっぱいにつけていました
会長がなくなる前に「すまなかった」と盗伐事件の対処に自分をはずした事などについて詫びの言葉があった。
平成14年5月20日頃から7月くらいまで帯広で事情聴取を受けたが、今日証言台に立つについては記憶を整理してきたので今日の証言が正しいとも述べられた。
ボケ
大室主任弁護人の反対尋問で天倉林業にも盗伐問題があったが起訴猶予になった事や松岡代議士に盗伐問題の処理を頼めるのは証人しかいないのではないかとも問いかけられた。
この間「手元の資料によると」との言葉が2〜3使われると、すかさず検察官より「手元の資料とはどういう資料なのか不明で、不確定な資料による尋問は呉導」との異議がなされ紛糾した。
裁判長より両者の意見調整のため20分間の休憩が告げられたが、この間大室弁護人はさすがで、直線的な検察官に対し柳に風の対応で、藤波裁判等多くの難事件を手がけてきたベテラン弁護士の老獪ささえ感じさせられた。
皇居のお堀の周りのボケの花もきれいに咲いていました  04年3月5日

今日の証人は鈴木宗男の一の子分と自称していた代議士と大学の同窓との事で、その面からの証言が期待されたが、新事実は殆ど無し。何で今頃この証人が出てきたのか理解できなかった。

直接心証主義:裁判所の心証を当事者の攻撃・防御により吟味された新鮮な資料からとるという意味合い