第18回公判

弁護側は日常的な交際での金銭授受だったと主張

平成15年8月29日(金)晴
雲形池
傍聴人40名前後。若い学生と北海道の建設業者風の男達が目立った。
朝刊で今日こそ公判後保釈が認められるだろうとの観測が流れていたので報道席も盛況だった。
今日は大室弁護人による前回証人の島田建設役員の反対尋問が行なわれた。
快晴の雲形池 03年8月29日

証人は「政治献金について総て調べて欲しいとの要請があったので経理や多田、越前両秘書とも打合せの上正確な献金リストを作成した。島田社長個人の献金については調査はしなかったが、問題の600万円は無かった。」と述べた。
これを受けて大室弁護人は鈴木被告と島田社長の日常的な親しい交際関係の中での金銭授受だったと、何とか有利な展開に持ち込みたいように思えたが、証人は否定的な証言に終始した。

そんな雰囲気から「前回の証言でお金を差し上げるのを見たといっているが、実際の受け渡しの 現場は見ていないのでしょう」との問いを発した。すかさず検察官より「言葉尻をとらえて難癖をつけた反対尋問だ」との異議があり、裁判長も肯定。弁護人は発言を取り消さざるを得ない一幕もあった。
ノギラン

さらに、2人の親しい関係から機会ある毎の献金、パーティ券購入がされていた事、何かにつけ慶弔金等のやり取りもあった事などを具体的に挙げて、600万円もそうゆう流れの中のお金だったとの証言を引き出そうとしたが、意図通りには進まなかった。吉田検察官の「お祝い事には必ずお祝い金を持っていくという前提の質問は、誤導につながり不適切」との異議でこのアプローチも不可だった。

有利な証言が少しも得られない事に業を煮やしたか、「多田被告の公判では島田社長は細かい事は言わずに代議士とのアポンイントを取っていた」と証言しているが、これは証人の証言と相違している。証言は信憑性を疑わざるを得ないとの弁論がなされた。
しかし検察官より「証人があずかり知らぬ事を事実とした上での尋問は誤導の可能性が大」とまたも異議を挟まれ「社長は細かい事は言わなくても、アポイントを取る本人は用件を伝えるのが常識でしょう」と反論されてしまった。
シコンノボタン

昼食をはさんで関根弁護人、最後に検察官の再尋問があった。その後検察官より調書の証拠採用の申請があり、やまりん、島田建設関係のものは総て弁護側も了承、13時55分閉廷した。

しべも花弁も鮮やかな紫のシコンノボタン(紫紺野牡丹)が日比谷花壇の奥に咲いていました 平成15年8月29日

赤川秘書の結婚披露宴の2次会費用や鈴木事務所の忘年会費用等総て島田建設に付けを回していた事実等も語られたが、総て600万円の賄賂性を払拭するには至らず、弁護側にとっては不本意な第18回公判だったと思う。

公判終了後弁護団が4回目の保釈申請を行い、鈴木宗男は17時過ぎ437日振りに保釈された。
保釈金は5000万円
帰宅後テレビで見た自宅前での記者会見には例の水玉の黄色いネクタイを締め議員バッチをつけていた。次回の公判にどんな姿で現れるか楽しみだ。