政官癒着の構造の怪

コブシ

今の時点で鈴木議員を怒らせてはまずい

鈴木が林野庁次長に掛けた電話を受けた秘書に「この大切な時に行き先が分らないとはどういう事だ」と言った言葉に迫力があった。と第12回公判で話され、他の証人達も一様に「怒鳴った」と証言した。
この事を第30回公判の被告人質問で「指導したので、叱ったのではない」と鈴木は公言してはばからなかった。
04年3月19日(第30回鈴木宗男公判)の日比谷公園・辛夷(こぶし)の花
アメリカスミレサイシン
第5回公判で、この時期林野庁幹部は国有林改革について組織の簡素化、国有林の公益機能への転換、財政の健全化等の行政改革案を鈴木と日常的に相談しながら進めていたと証言している。
怒鳴ると指導するの区別くらいは誰にでも分かる事で、鈴木の気持ちの中の助けてやっているとの意識が思わず噴出してしまったのだろう。
当時の林野庁次長、業務部長、帯広支局長には鈴木議員を怒らせてはまずいという共通の認識があったとの証言もされている。
04年3月19日(第30回鈴木宗男公判)の日比谷公園・アメリカ菫細辛の花
雲形池

外務省も鈴木を怒らせないよう最大限の配慮

モザンビークへの国際緊急援助隊派遣中止の件でも、新任の担当課長の説明にまったく耳を貸さなかった鈴木に直属の参事官、局長まで釈明に出向いている。外務省も鈴木を怒らせないよう最大限配慮していた。行政改革で鈴木に助けて貰って以来、持ちつ持たれつの関係が続いていたのだろう。
03年12月19日(第24回鈴木宗男公判)の日比谷公園・紅葉の雲形池
この件でも鈴木は、出す出さないは外務大臣が決める事で私が全権を持っているような話は心外で「出発2時間前に止めた」といわれるのはまったく一方的だ。と述べている。

かたや省益を守る為、かたや鈴木は選挙民の為、自身の為に動いた。それは第三者から見ると完全な政官癒着の構造だし、族議員の典型的行動パターンで、金銭が絡めば完全に収賄だ。

でも鈴木本人の意識からすると、それが日常的に行われている行動の中で鈍磨してしまい、林野庁関連ではたまたま500万円の特別会費が絡んでしまった。ただそれだけの事で、本人にはあっせん収賄の意識はまったくなかった。そして外務省関連では一生懸命面倒を見ているのに、ないがしろにされた事に単にむかっ腹を立てただけだったのだろう。